飲んで覚えるワイン

ワインエキスパートを受けようとしている人が「試験対策」と言いつつ飲むだけ

飲んで覚えるイタリアワイン:シチリア州のネロダボーラ【CHIARAMONTE NERO D'AVOLA 2017】

イタリア20州のワインを飲みながら覚えるシリーズ、今日はシチリアの赤です。
シチリア」と聞くと「オリーブ、マフィア……」と貧弱な連想しかできないわたくし。果たしてワイン産地としてのシチリアとはいかに。

本日のワイン:キアラモンテ ネロダボーラ2017 CHIARAMONTE NERO D'AVOLA 2017

参考小売価格:1800円くらい
産地:イタリア・シチリア州(DOC:シチリア
品種:ネロ・ダーヴォラ
購入元:カルディ
インポーター:株式会社オーバーシーズ

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カルディで発見。カルディは3000円以下の掘り出し物がよく見つかる印象です。少なくとも近所の店舗はイタリアワインに力を入れているようで、このブログで今後もお世話になる予感。

楽天でも買える

 

シチリア州

シチリア州シチリア島。地中海最大の島です。イタリア20州のなかで面積最大の島でもあります。

 

シチリアはワイン生産量で4位の州です。ここ数年は概ね同じ順位の様子。
1位 ヴェネト州
2位 プーリア州
3位 エミリア・ロマーニャ州
4位 シチリア州
5位 アブルッツォ州

italianwinecentral.com

トスカーナピエモンテがこの後に続きます。知名度が高くても生産量が多いとは限らないんですね。

ちなみにシチリアの面積は四国よりも大きく、行ってみると島という印象は感じないそう。気候も様々。

 

シチリアワインと言えば酒精強化ワインのマルサラが代表的だそうです。
使われる赤の品種はPignatello(ピニャテッロ)Calabrese(カラブレーゼ)Nerello Mascalese(ネレッロ・マスカレーゼ)、白は Catarratto(カタッラット)Grillo(グリッロ)……土着品種祭りですね。

マルサラにも使われるCalabrese(カラブレーゼ)の別名が今回のワインにも使われているNero d'Avola(ネロ・ダーヴォラ)です。

ちなみにマルサラは島の西の端。

シチリアの象徴・現役の活火山エトナ山山麓でもワインが造られておりDOCを獲得しています。島の真ん中なのでマルサラとは気候も土壌もまるで違うんでしょうね。

 

 

シチリア州のDOCG(1つ)

・Cerasuolo di Vittoria(チェラスオーロ・ディ・ヴィットリア)
生産色: 赤のみ
品種: Nero d'Avola(ネロ・ダーヴォラ)主体
認定年:2005
ヴィットリアは島の南西部

 

生産者情報

フィッリアートはシチリアでも大手の生産者で国際品種から土着品種まで手広く手掛けているようです

firriato.it

 

サイトが気合入ってますね。有名ワイン雑誌で取り上げられた経験も多数あるとのことなので、当然ながら国外での消費を意識しているということなのかな。

テイスティング

2014年ヴィンテージでパーカーさんに90点もらったこともあるというこちら、2017年

 

firriato.it

渋そうなワインはとりあえずデキャンタージュしてしまう癖があります。本当に必要なのかはよくわからないままとりあえずデキャンタージュして香りを確認。

ネロ・ダーヴォラらしいのでしょうか。凝縮感。
一方タンニンは収斂するがザラザラというほどでもなく、渋みもやさしい。
なんだか紅茶っぽいなと思いました。
濃いんだけど口に含んでから飲み干すまでの間に印象が変わる、素敵なワイン。

品種名をしっかり覚えておいて、また他の作り手のものを見かけたら試してみようと思わせてくれる一本でした。

飲んで覚えるイタリアワイン:バジリカータ州 Aglianico del Vulture【FEUDI DEL VESCOVO 2017】

ワインエキスパート試験の受験を決断し、参考書を買った後「ああ、受けるなんて言うんじゃなかった」と絶望することが何度かありました。
例えば、「イタリア」のページをめくったとき。

フランスは「シャンパーニュ」「ブルゴーニュ」「ボルドー」……と地域別に編集されているのに、イタリアは20州全部一つのセクションに投げっぱなし。
伝え聞くところによると「わりとどの州も試験に出る」まじかよ。
ピエモンテトスカーナだけであっぷあっぷなのに……。DOCG何個あると思ってんだ!!!!

 

幸い一次試験まで、時間だけはあるのでワインを飲んで不安をまぎらわすことにします。
ブログにしておけば後見返して思い出せるだろう、多分……。

勉強中ということでお粗末なコメントは多めに見てやってください。

 

本日のワイン:フェウディ・デル・ヴェスコヴォ FEUDI DEL VESCOVO Aglianico del Vulture 2017

参考小売価格:1400円
産地:イタリア・バジリカータ州(DOC:アリアニコ・デル・ヴルトゥレ)
品種:アリアニコ
購入元:東急百貨店 渋谷東急フードショー
インポーター:日本リカー株式会社

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www.tokyu-dept.co.jp

  

リニューアルほやほやのマークシティ地下で手頃なワインを探していたところ東急百貨店「お薦め赤ワインベスト10」コーナーを発見。イタリアワインもたくさんランクインしているなか、唯一DOCの帯がついていたのが7位のこの子。お持ち帰りさせていただきました。

 

楽天やアマゾンでも買えそうです。

 

 

 

バジリカータ州

ザ・イタリア南部。イタリア半島をブーツに例えると土踏まずの部分。

ワインの生産量は多くなく、欧米でも決して知名度の高くない産地でありながらアリアニコ Aglianico を使ったワインは「イタリア南部を代表する偉大な赤ワイン」。

観光地としても世界的に知名度が低かったようですが、2018年にNew York Timesが「2018年に訪れるべき52の観光地」に掲載してちょっと有名になったみたい。

石灰岩に掘られた「マテーラの洞窟住居」が世界遺産に登録されています。

www.nytimes.com

残念ながら「イタリア南部」といえば「貧しい」と続いてしまいがちですが、バジリカータ州はどうなんでしょう。wikipediaで少し見た限りでは、多くは作られていないワインが名産品みたいです。

バジリカータ州のDOCG(1つ)

・Aglianico del Vulture Superiore(アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレ)
生産色: 赤のみ
品種: Aglianico(アリアニコ)
認定年:2010

 

生産者情報

フェウディ・デル・ヴェスコヴォはあのファルネーゼ傘下のワイナリー。神の雫でバカ売れしたカサーレ・ヴェッキオ・モンテプルチアーノ・ダブルッツォで有名なあのファルネーゼです。イタリア各地で安旨ワインを作ってるんですね、初めて知りました。


その前は地元の農協だったが破産してぶどうから小麦に転換が進んでしまっていたのを今少しずつ戻しているところだそうです。

休火山のそばの痩せた土地で、標高が600~700mと高く水はけがよい上、一年中乾いた風が吹くので農薬が必要ないとか。ワイン初心者の私にも、とにかく条件がいいことはよくわかります。

https://www.nlwine.com/winery/feudidelvescovo/

 

テイスティング

一日目:重そうだからとりあえずデキャンタージュして飲む

美味しい。アリアニコの品種特有なのでしょうか、凝縮感と酸のバランスが絶妙。樽も効きすぎていない。

アメリカのジンファンデルを思い出させる凝縮感がありながら、飲み飽きない上品さ。

 

二日目:ほぼ変化なし。うまいうまい。

 

個人的にはファルネーゼつながりのカサーレ・ヴェッキオより、こっちの方がどっしりして安心して飲めるかも。
美味しいワインをありがとうございました。